たんぱく質の摂りすぎのリスク
ですので、たんぱく質に偏った食事になってしまう事がありますが、たんぱく質の過剰摂取は様々な形で身体に負担をかけてしまいます。
たんぱく質の構造は、糖質や脂質に比べて非常に複雑な構造をしています。
そのため、たんぱく質を分解したり、体内でたんぱく質に再合成する際に多くのエネルギーを必要とします。
糖質と脂質を構成する元素は「酸素(O)」「炭素(C)」「水素(H)」ですので、エネルギーが使われた後は、水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)だけになりますが、たんぱく質には{窒素(N)」が含まれているため、アンモニア(NH₃)が発生します。
アンモニアは非常に毒性が強いため、肝臓で尿素に変換されます。その後、腎臓でろ過され最終的に尿として排泄されます。
つまり、たんぱく質を摂り過ぎてしまうと肝臓と腎臓に大きな負担をかけることにつながります。また、肝臓で変換された尿素は排泄がスムーズに行われないと尿酸に変わります。この尿酸が血液中に沢山たまってくると、関節周囲に結晶となって蓄積して痛風を引き起こすことになります。
そして、この尿酸などの酸性物質によって血液が酸性に傾きます。すると身体は中和するために、骨や歯からアルカリ性のカルシウムを溶かしだしてバランスを調整しようとします。このことを「脱灰」といいます。
まとめると、たんぱく質の過剰摂取を続けていると、肝臓や腎臓に負担をかけ、痛風の元となり、骨や歯をもろくしてしまうということです。たんぱく質の過剰摂取にはこのようなリスクがあることを念頭におきながら、食事のバランスを考える必要があるといえるでしょう。
2021年11月06日 13:45