食後の胸焼け
欧米人は、昔から牛や羊など動物性たんぱく質を食べてきたため、一度に沢山の動物性食品を消化、吸収する必要があるため胃酸の分泌が盛んです。しかし、日本人の胃酸の分泌量は欧米人の半分程度しかありません。
多くの方は、食後の胸焼けは胃酸過多が原因であると思っています。そのため、症状の緩和に胃薬を服用される方が多いと思います。しかし、その中で本当に胃酸過多になっていいる方は2割程度しかいないといわれています。
ほとんどの人は、むしろ胃酸の分泌が少ないために胃の調子が悪いと考えられます。そうすると、胃酸の分泌をさらに弱めることになってしまい、胸焼けを助長することになってしまいます。
生活習慣病の原因のひとつとして、胃酸の分泌が少ないことが疑われています。特に、アトピー性皮膚炎の患者などは胃酸の分泌が非常に少ないというデータがあります。
食べたものが胃酸によってしっかり分解されていないと、小腸で栄養素が適切に吸収されません。これを「吸収不全」といいます。5大栄養素である「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」の欠乏症に陥ります。
特に、亜鉛、銅、クロム、マンガンなど必須ミネラルの多くは小腸の上部でしか吸収されないため、確実にミネラル欠乏症を引き起こします。
胃酸の分泌不足を補う上で、梅干しや酢の物をうまく取り入れた日本の伝統食は、非常に理にかなった調理法といえます。
2021年11月10日 18:50