たんぱく質の消化吸収
この24時間リズムの起点を作っているのが朝食のたんぱく質であることが分かってきました。
たんぱく質はそのままでは分子量が大き過ぎて吸収できないため、プロテアーゼやペプチダーゼなどの消化酵素によってアミノ酸に分解されて、小腸から吸収されます。その後門脈を通って肝臓へ運ばれて、一時的にアルブミンというたんぱく質につなげられて貯蔵されます。これでようやく身体作りの準備が整います。その後必要に応じていろいろなたんぱく質へ再合成されていきます。
アミノ酸がアミド結合(CO-NH)で2~数十個連なったものをペプチドと呼び、さらに連なったものをたんぱく質といいます。
大部分のアミノ酸のアミノ窒素は、グルタミン酸のアミノ基を経由して代謝されます。グルタミン酸からアンモニア(NH3)が遊離しますが、アンモニアは中枢神経毒であるため、直ちに肝臓の尿素回路で無毒な尿素に変換されて尿へ排泄されます。
例外として、分岐鎖アミノ酸は、肝臓ではなく筋肉と脳で代謝されます。特に脳は、分岐鎖アミノ酸をグルコースに次ぐエネルギー源として利用します。脳で生じたアンモニアはグルタミンに固定され肝臓に運ばれて処理されます。
血清中にグルタミン濃度が他のアミノ酸より高いのは、このように臓器間のアミノ窒素の運搬役として働いているためです。
2021年11月25日 19:02